ロシアの諺から見るロシア文化

 


ロシア文化どしどし発信していきますよぉ~~

さて、突然ですが「ことわざ」ってその国の文化が反映されていますよね??

そう思いませんか??

 

例えば、

日:「覆水盆に返らず」米:「It is no use crying over spilt milk」

この日米の諺の違いってなんでしょう??

そう、「水と牛乳」!

米国では、水より牛乳の方が生活に密接に関わっており、このような細かい違いが生まれたのです。(「戸田,2003,p476」)

 

さてさて皆さん!ロシアに染まっていますか??

そんなこんなで今日は、

「ロシア語の諺・フレーズからみるロシア文化」

について書きたいと思います

 

まず初めに、

 

露:「Без кота мышам раздолье猫が居なければ、ネズ

ミの好き放題

意味:こわい人やうるさい人が居ない間に、のんびりくつろいで気晴らしをすること。

日本語では、「鬼の居ぬ間に洗濯」ですね。

このロシア語の諺にある「猫とネズミ」。いや、トムとジェリーかいっ!って感じですよね。

ところで、ロシア人は、猫を愛してやまない国民性なのです。ロシアでは、ペット飼育世帯全体の60%程度にあたる世帯で、猫を飼っているのです。また、世界三大美術館として有名なエルミタージュ美術館では、猫警備隊としてネズミから絵画を守る猫ちゃん達がいます。

この諺は、そんなエルミタージュ美術館の風刺ですかね。

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エルミタージュ美術館

 

露:「Вот тебе ,бабушка ,и Юрьев день(おばあさん、ユーリの日だよ)」

意味:期待していたことが行われず、がっかりした様。

ユリウス暦で、11月26日は「ユーリの日」。当時は、その日の前後だけ農奴の自由な移動が許されていました。しかし、イワン雷帝の死後、突如その自由移動が禁止され人々は落胆しました。この諺に「ユーリの日」という言葉が色濃く残ることから、当時のロシア農奴民の生活に根付いていた重要な日が無くなったことを嘆く声が聞こえてきますね。

諺から、ロシア農奴制の歴史や彼らの文化や生活を読み解くこともできますよ。

 

露:「Ездить в Тулу со своим самоваромサモワールを持ってトゥーラへ行く)」

意味:余計なことや無駄なことの意。

サモワールとは、ロシアの伝統的な湯沸かし器のこと。一方、トゥーラは、サモワールの製造で有名な都市。このことから、トゥーラにサモワールを持って行っても仕方がないということを表しています。

サモワールには、綺麗で手の込んだ模様が施されている。現在でも、国民から愛されている工芸品で、ロシアの寝台列車やパーティーで見ることもできます。サモワールで沸かしたお湯で、ティータイムなんてのはいかがでしょうか?

 

露:「Ешь пирог с грибами, держи язык за зубами(キノコのピローグを食べても、舌は歯の後ろにしまっておけ)」

意味:親切にされたからといって、いらない無駄なことは口に出すな。

さぁ、なぜキノコのピローグなのか?なぜ、牛肉や刺身でないのか?

ロシア人は、昔よりキノコを愛する国民だからです。ロシア人にとって、キノコ狩りは単なる狩りではなく、「静かなる狩猟」なのです。キノコをピクルスに漬け込む文化もあります。

ただ…彼らは「キノコ狩猟」は大好きだが、「キノコを判別」することは苦手らしい。毒キノコを食べることも…?

ちなみに、ロシア人は毎回キノコ狩猟のシーズンになるとこぞって、森林に駆け出していきます。平和だぁ。

 

露:「Медвежья услуга(熊の親切)」

意味:余計なお世話という意。

熊が老人についたハエを払おうとして、あまりの強さにその老人を殺してしまったという寓話が由来している。そりゃ、死にますよね?

ここで、重要なことは「熊🐻さん」‼

ロシアでは、熊は生活に密接に関わる動物なのです。田舎町では、道路に熊なんて当たり前⁉また、ロシアでは熊をペットとして飼育する家庭もあります。

広大な森林を持つロシアでは、ありえそうな話ですよね。

ちなみに、フィギアスケーターのメドベージェワさん。「メドベージェワ」という名前は、熊という単語に由来しています。

 

露:「Не все коту масленица(猫はいつも、マースレニッツァというわけではない)」

意味:人生、ずっと楽なことばかりが続くわけではない。

さぁ、また出てきました。子猫ちゃん!

ちなみに、「マースレニッツァ」(直訳:バター祭り)という言葉知っていました?

これは、ロシアに古くから存在する伝統行事です。国民は、一週間飲んで、歌って共に春分を待ちわびるのです。

そして、この行事では「ブリヌイ」と呼ばれるロシア風のクレープを腹いっぱい食べます。ロシアといったら、ボルシチ??う~ん、ブリヌイですよ⁉

 

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ブリヌイ

 

今日の記事は、ロシア語の諺や決まり文句から見るロシア文化でした。正直、もっと紹介したいフレーズがありましたが、それは次の機会に。